今回は、リモートワーク下に受講した管理者研修の感想について記載したいと思います。
最初に私の感想を述べさせていただくと、相変わらず完全出社時の経験に重きを置いた発想が、背景にあるなって印象を受けました。その辺りの詳細は、下記に述べさせて頂きます。
完全出社が前提の頃の管理者研修
この頃の研修は、皆さんも良くご存知の方法と思いますが、改めて振り返ってみたいと思います。
研修受講場所等
完全出社時の研修は、当社の場合、東日本と西日本エリアに分け、東日本エリアは東京に研修会場が設置され、西日本エリアは大阪に研修会場が設置されていました。その双方の会場で開催日を分け、講師も事務局も受講生も全てが一同に集まり、集合研修を受けていました。要は、同じ研修を開催地域毎に分けて実施していたという事です。それに合わせ事務局側も、講師や受講生向けに研修受講案内資料を作成したり、会場を予約したりと大変ご苦労があったかと想像します。
また、受講生側も東京や大阪以外の方は、宿泊場所を探し予約したり遠方なら飛行機や新幹線を予約したりと、面倒な準備をされていました。また、それら全てが会社負担となるので、会社の研修費も高額になったと思います。
研修受講方法
こちらも、研修会場での集合研修になっていたので、指定された会場に参加者全員が集合する対面形式の研修になっていました。受講時は学校形式の配置になっており、グループ討議の時は、机を決められた位置に移動させグループ討議に入るという形式で、研修を受講していました。
勿論、周りの他グループは同一会場の近くで議論しているため、討議内容も聞こえてきますし、ある意味、集中した討議がやりづらい環境下での研修になっていました。
また、会場が東京と大阪に分かれている事もあり、参加者も東西の合流が不可能になっていたデメリットもありました。
リモートワーク開始後の管理者研修
こちらの研修実施方法は、新型コロナウイルス感染症対策による集合研修禁止及びリモートワークの推進により、大きく様変わりしました。具体的には、下記のとおりです。その実施方法が5類移行後の現在も続いております。具体的な変更内容は、下記のとおりです。
研修受講場所等
まず受講方法の連絡方法は、完全出社時と同様に、メールでの通知で研修資料等が送付されて来ます。ただ、そこには研修場所の案内が無く、研修に参加するためのURLが記載された案内に変わっている点が大きな変更点となっています。
またグループ討議のためのグループ編成表もあるのですが、そこにも、グループ単位のメンバー一覧とグループ毎のURLが記載されています。
研修受講方法
研修方法は、会議室のような所に集まる対面形式の集合研修方法ではなく、各自、自宅や職場のパソコンから参加するWeb会議方式になりました。これは、大きな変化で周りの雑音もなく、リラックスして研修に集中出来るようになりました。
また、グループ討議も、グループメンバーのみで参加することになり、集中した討議が可能になりました。これは、非常に大きな効果だと思います。
私が思うこれらの変化に伴うメリットデメリットを下記に述べていきたいと思います。
メリット
会社側のメリット
① 研修会場費が不要
② 受講生の交通費や宿泊費が不要(会社負担費用が不要になる)
③ 全国一律の研修が可能
受講生側のメリット
① 自宅や職場のパソコンから簡単に研修へ参加できる(研修会場へ出向く必要なし)
② リラックスした環境で研修に集中でき、研修効果もアップする。
③ 勤務地域に関係なく研修時の人員交流が可能
デメリット
こちらは、余り思いつかないのですが、あえて挙げると下記の事が想像できます。
① 受講生にITスキルがないと、参加すら困難(一定以上のITスキルは必須)
② 講師と事務局側の研修効果測定がリアルに判別しにくく感じる(工夫により対応可能)
双方の研修を経験した感想(まとめ)
双方の研修を経験した身とすれば、研修コスト面及び効果面の双方から、Web会議方式の研修がかなり効果があると思います。また、グループ討議の中で本音が聞きやすくなると思います。更に、地域横断的な人員交流が可能になり、効果は大だと思います。
ただ、私が感じた感想ではありますが、講師側の思考が完全出社時代の経験に基づく組織マネジメントになっており、リモートワーク下での組織マネジメントとのズレを感じるケースがありました。これは、講師自身がリモートワーク経験がなかったり、本格的なリモートワークの歴史が浅い事もあり、データも集まっておらず、致し方ない事だとは思いますが、リモートワーク下で構築した組織マネジメントを否定されてるようで、非常に残念に感じました。この辺りは今後、完全出社形態の研修内容とリモートワーク形態の研修内容と二分化した研修が望ましいと思います。