今回は、私の職場でリモートワーク開始直後に導入された「オフィスのフリーアドレス化」について、触れていきたいと思います。
結論を先に述べさせて頂きますと、オフィスのフリーアドレス化の成功可否は、導入目的をどこまで浸透させられているかと、それをしっかり運用できているかにかかってきます。
その辺りの状況を、私の職場のフリーアドレス化を例に、触れていきたいと思います。
オフィスのフリーアドレス化について
導入経緯
私の職場でフリーアドレスが導入された経緯は、次の通りです。
① 事務所移転計画が持ち上がった事
→関連グループ会社を一か所のオフィスビルに集め、事業の効率化を図る
② 新型コロナウイルス感染症対策として、リモートワークが本格導入されていた事
上記観点から、事務所移転に合わせ、フリーアドレス化が検討されました。
検討内容
フリーアドレス化を実現するための前提条件の設定
① 座席は、各業務グループ毎のブロックを設定
→私の部を入れ、4グループ
② 座席数は、リモートワークを導入している事も想定し、実人員の7割を確保
→当初、5割を想定していたが、出社要望の担当が出たことから7割に増加
③ 座席数を7割にした余剰スペースをフリースペースとして活用
→リフレッシューコーナーや打ち合わせスペースなど
④ 書庫は、事務所内の見通しをよくする為、低めの3段書庫を設置
→ペーパーレス化を想定し、書類保管スペースを削減
上記、前提条件を元に構築された新事務所へ移転することになりました。
新型コロナウイルス感染症対策期間中と5類移行後の事務所の使用状況
新型コロナウイルス感染症対策期間中の使用状況
この期間中の使用状況は、二つの事象に分けて説明させて頂きます。
取引先と対面対応が必須と言っているグループの使用状況
このグループのフリーアドレス使用状況は、そもそも、与えられた7割の席が足りない状態になり、フリースペースも使用しながら、ソーシャルディスタンスを確保したスタイルで作業をしていました。
ただ、この使用方法も、毎日ほぼ全員出社しているため、同じ人が同じ席に座って仕事をするという以前から見慣れた光景が繰り広げられていました。
挙句に、廃止と言っていた「脇卓」まで人数分揃えるている始末で、目がテンになってしまいました。その脇卓、事もあろうにフリーアドレスの机の下に置き場所がない為、今は打ち合わせコーナーの一角を潰し、押し込んでいる始末です。おいおい、ちと考えてよ!ってツッコみたくなります。
私の目から見ると、もう少し工夫するとリモートワークも、まだまだ可能になる余地があるのに、残念な結果だなって印象でした。担当マネージャーと話してみると、最初からリモートワークを諦め、「いずれ、数年経てば必ず以前の出社に戻るから」との見通しに基づく対応の結果だと思われました。おいおい、あなた達フリーアドレス化の主旨理解してるの?リモートワークの効果理解してるの?ってツッコミたくなる気分でした。
リモートワークがメインに切り替わっているグループの使用状況
こちらは、私の部が該当するのですが、基本、毎日1人〜2人が出社するのが定例で、10席用意されているフリーアドレス席の2席を使用するって感じです。
ただ、出社する人は、日々交代するのですが、使用する席は、書類保管書庫や使用機器類の設置場所が近く、また固定電話が取れる席が限定されているため、結果、出社時に使用する席は、出社した人の固定席になってしまうという状態です。
新型コロナウイルス感染症対策が5類へ移行後の使用状況
リモートワークがメインに切り替わっているグループの使用状況
こちらは、孤軍奮闘、私の部が該当し、新型コロナウイルス感染症対策期間中と同様、基本、毎日1人〜2人が出社対象業務を行うために出社し、使用方法も新型コロナウイルス感染症対策期間中と同様の状態です。
ただ、大きく変わったのは、他の部の社員に出社対象者が増えているため席が足りなくなり、私達の部のフリーアドレス席を使用するようになった事です。この現象は予想外で、我々の業務に支障がでる事も想定された為、慌てて他部の方々に、使用してもらっても良い開放席を作り、事情を説明し利用してもらうようにしました。
その他の部の使用状況
我々以外の部の方々は、一部のリモートワーク希望者を除き、出社頻度が一気に増えています。その結果が、我々の部のフリーアドレス席を使用する事態へと波及した次第です。
取引先の都合なのか、こちらの都合なのかは不明ですが、一度定着しかけたように見えたリモートワークが無かったが如く、週の大半を会社で過ごすスタイルに戻っている感が見受けられます。
逆に、週に1日程度のリモートワークで、一体何が出来ているのだろう?。なら、完全出社にした方がマシでは?。って不思議に思えるくらいです。
勿論、席も固定席化が状態化し、挙句に、それを解消する施策として、クジでフリーアドレス席を決め、そこで1日仕事をしましょう。的な取り組みも計画されているようです。それ以外にも、節電対策で不要な電気は消しましょうなどの懐かしい取り組みも復活しております。おいおい、リモートワークを拡大すれば、全て解決するよ。って思うのですが・・・。他部の事でもあり決定権がないため、冷めた目で眺めております。
私的に思えば、折角のチャンスを活かしきれず、元の状態に近しい姿に戻っているようにしか思えず、非常に残念な気持ちです。
まとめ
上記に記載させて頂いたように、リモートワークの拡大に合わせフリーアドレス化を図るという考え方は、非常に理にかなっていると思います。
ただ、その理念をしっかり理解した上で、双方を上手く進めて行かないと、波状してしまう事になります。この点を十分理解し、進める必要があったと思われます。
また、固定席化についても、フリーアドレスの配置と書庫の配置を、従来の担当単位にまとめてしまった事が災いし、出社して仕事をするためには、書類や必要な機器類が近くにある場所で仕事をした方が効率的になり、結果、出社時の席が固定化してしまう原因にもなっていると想定されます。
なので、席も書庫も全て、全体で使用するような発想で置き場を一箇所へ集中させないと、真のフリーアドレス化は、難しいと思います。加えて、リモートワークと絡めたフリーアドレス化の場合は、マネージャーがしっかり仕事の流れをリモートワーク仕様に改め、取引先とも連携するなど、これからもリモートワークを続ける意思を貫いて実行しないと、上手く歯車が噛み合わず、期待した効果を得られないと思います。
結果、私が務める職場のフロアーは、5類移行後、チグハグな状態となり歪みが表面化しているというのが現状です。この先、どうしていくかは、マネージャー達の考え方次第って事になると思います。
いずれにしても、長年培ってきた出社脳は、3年程度の期間で変えるのには難題であったって事に尽きると思います。私的には、非常に残念な結果です。