今回は、リモートワークを開始して約4年半が経過し、再度、グループチャットの運用ルールを徹底する必要があると感じた事例について、記載させていただきます。
結論を先に記載させていただくと、リモートワークは新しい働き方だけに、ルールも手探り状態で、万能な対策は、難しいという事です。
リモートワークを始めた経緯と、対象者を全員にした経緯。
リモートワークを始めた理由は、2020年の年明けから騒がれ出した新型コロナウイルス感染症対策として、開始しました。
ただし、初期段階では、ネット環境が自宅に無い人もいたので、ネット環境が整備され、仕事の仕組みをリモートワーク仕様に変更できている人のみの対象としていました。私の部では、12/16人が対象となりました。
その後、自宅のネット環境が揃ったのと、仕事の仕組みを更にリモートワーク仕様に変更した事に伴い、一部の出社対象業務を当番制にした上で、全員が在宅勤務へと移行する事なりました。
リモートワークを始めた頃は、どんどん会社の制度も拡充され、これからの働き方はリモートワークがメインになるのではと思っておりました。私的には、今でもそう思っております。
リモートワークに不向きな人の特徴
今回のテーマとも関係してくるのですが、リモートワークを始めて4年半程度になるのですが、その年月でも克服する事ができなかった問題について、記載させていただきます。
不向きな人の特徴
私が感じたリモートワークに不向きな人の主な特徴は、下記の二点になります。
ITスキル不足
ITについては、下記の2項目に分けて記載させていただきます。
パソコン関連
そもそも、出社勤務の頃から、パソコン周りの事を、全て他人に依存していた人が、このタイプの人に該当します。
このタイプの人がリモートワークを始めると何が起こるかと言うと、例えばパソコンにセキュリティーアップデートが必要になった時、何一つ、自宅では対応できない事になります。
また、セキュリティー面から設定してあるパスワードの有効期限が切れ、変更する必要が生じた場合、この手のタイプの人は、環境やシステムごとに、設定しているパスワードについて、自身が今どの環境で作業をしているかを理解できてないケースが多いので、パスワード変更で躓きます。これらの事象は即ち、自宅での仕事がストップする事に直結します。
インターネット関連
このタイプの人は、パソコンスキル不足の人と連動していると思うのですが、自分でパソコンをWi-Fi(またはLAN回線)に接続できない人です。
このタイプの人がリモートワークを始めると何が起こるかと言うと、まず最初に、自分でパソコンをWi-Fiに接続する事ができません。家族に接続してもらっても、何らかの事情でWi-Fiが切れた時、かつ家族がいない時、自分でパソコンをWi-Fiに接続する事ができません。これは即ち、自宅での仕事が出来ない事になります。
更に、パソコン内のローカルフォルダーと、会社が設置しているサーバー内のフォルダや、会社が契約して使用しているMS365のクラウド上のフォルダーの違いも、良く理解できていない傾向が多い気がします。
発想が、硬直化している
このタイプの人は、リモートワークを行うために変更した仕事の流れについて来れないタイプの人です。
例を挙げると、出社時代の資料作成も、エクセルやワードやパワーポイントで作成するのですが、その資料をわざわざプリントアウトし、紙の資料でチェックしていました。しかし、リモートワーク下では、セキュリティーの観点からも資料を紙で出力する事ができません。また、セキュリティーの観点から紙の資料を自宅へ持ち帰る事もできません。結果、どうするかと言うと、エクセル等で作成した資料をそのままファイルの状態で見ながら作業をする事になります。要は、紙へプリントアウトする作業及び紙の資料を見る動作をファイルで直接行う事になります。この変化に、発想がついていけない人がいると言う事です。このタイプの人の発想は、今だに「資料=紙」になっていると想像しています。
対策
不向きな人の対策としては、DX化やコロナ禍でのリモートワークへの流れを考慮した場合、自らの努力により、克服するなり、慣れてもらうしか無いのですが、今回のように、急にリモートワークを強いられるケースになった場合、私が採った対策は、下記の通りとなります。
作業の流れをシンプル化及び可視化
不向きな人が担当している作業について、出来うる限り作業工程をシンプル化し、その作業工程を可視化する事に努めました。
そうする事により、本人の作業量が簡素化されると同時に、管理する側の人が、いま誰が何をしていてどこまで作業が進んでいるのかを、リモートワーク下でも識別できるようになるからです。
担当業務を限定
次に、これは苦肉の策ではありますが、不向きな人に多くの作業をしてもらう事は不可能なので、作業を限定させる事にしました。これら全て、新型コロナウイルス感染症対策の一環です。
グループチャットの開設
急にリモートワークを開始した事もあり、自宅で一人作業をする事に孤独感を感じたり不安に感じる人もいるであろう事が想定された為、部全体のグループチャットと担当毎のグループチャットの二つを作る事にし、全体周知事項は部全体のグループチャットにコメントを入れ、担当内周知事項及び始業と終業の挨拶は、担当内のグループチャットにコメントを入れるルールにしました。
チャット通話とWeb会議の活用
文字での会話だけでは、味気ない場合もあると思い、チャット通話(Teams通話)やWeb会議も交える事にしました。基本、チャット通話は自由使用とし、Web会議は毎日担当内ミーティングとての使用義務化と週一回の全体ミーティングとしての使用(情報の共有化目的)を、最低限のルールにしました。
外部モニターと外付けキーボードの貸与
ファイルでの作業効率化を目的として、貸与されているノートパソコンの画面では、資料が見辛いケースもある為、24インチの外部モニターの貸与と外付けキーボードの貸与を行い、デメリットの克服に対応しました。
新型コロナウイルス感染症の5類移行時の対応
私的には、2023年5月のGW連休明けの5類移行後も、ずっとリモートワークを続けていきたい人が全てだと思ってはいたものの、念の為、今後もリモートワークを希望するか否かのアンケートを取りました。すると、驚く事に、3名がリモートワーク頻度を7割以上ではなく、自由に職場に出社して作業をしたいと思っている事が判明しました。理由を分析すると、二人は、ネット環境がポケットWi-Fiであったため、それと一人は被りますが、自宅の作業場環境が、適さないとの理由からでした。
私的には、リモートワークを始めて3年以上が経過している中で、いまだにネット環境をポケットWi-Fiで凌いでいた事と、作業場環境を整えていなかった事に驚くと同時に、呆れもしましたが、その該当者3名には、自由に出社を許可しました。ただ、今でも、リモートワークが7割で推移しているのが、不思議です。要は、好き勝手にさせて欲しいという要望であったのだと理解した次第です。
一応、それら3名に対しては、仕事の仕組みは、リモートワーク仕様から変更しないので、完全出社の作業方法に戻す事を禁止しております。それが、自由出社を認めた条件的なものになっております。
対策の限界とジレンマ
リモートワーク開始から4年半、これらの対策を都度講じ、リモートワークを継続してきた訳ですが、リモートワークの一番のデメリットである、直接目の前で本人の作業実態を見れない点が災いし、出社勤務が多い他部の社員から特定の社員に対する忠告も入るようになってきました。その都度、注意するものの、やはり目の前に居ない事が効果を低減させるのか、効果薄の感じがしています。
更には、上司が目の前に居ない事に味を占めたのか、全体グループチャット上でも、人をわざと煽る行為や、それにほいほいと乗ってしまう行為も出始める始末。良い大人が一体何をしてるのか?とも思いますが、やはり、対策にも限界があると痛感している次第です。リモートワーク化して以降、一人一人の作業量の濃淡やスキルの濃淡などに対する不満が溜まった結果のストレス発散の場になってしまったのかもしれません。
本来なら、リモートワークに不向きな人達は、完全出社に戻し、作業を行わせるべきなのですが、作業内容全てをリモートワーク対応に統一しているため、過去の完全出社時のような紙資料主体の作業に戻せない現実もあり、大きなジレンマとなっています。
まとめ
以上のように、ここに来て、完全出社勤務していた頃と同様の人間関係を原因とする悪しき事例が、リモートワーク下でも表面化するようになってきました。
この問題を厄介にしているのは、リモートワークの経験(歴史)が浅い事から、有効な対策の前例が無いと言う事です。これから、試行錯誤しながら試していくしかありません。
その前提に立ち、放置する事なく、①悪しき事例の共有。②リモートワークに不向きな人の改善。③改善効果が望めない人に対する完全出社勤務への対応。
最終的には、人目につく場所で仕事をしてもらうしか無いだろうという事になるのかなと思っています。非常に、厄介な問題です。