こちらでは、リモートワーク不可と思われていた作業を、どのようにリモートワーク可能作業へ変えていったかについて、触れさせて頂きます。
結論を先に述べさせて頂きますと、在宅勤務を始めるなら、紙からファイルへという事になります。
依頼資料を全てファイル化し、依頼方法及び資料保管場所を整備する
2020年3月9日からリモートワークを開始するに際し、手をつける必要があったのが、従来、請求・支払いなどの処理依頼方法は、紙の資料で、「はい、これをお願い」って方法で、所定の場所へ提出してもらい「はい、これ処理しましたよ」って、その依頼資料に処理結果資料を追加し、所定の場所へ返却する流れで作業を完結させていました。全て一件毎に紙資料での作業方法です。
しかし、この方法では、出社しないと処理ができないので、抜本的に変更する必要がありました。これから、リモートワークを可能にするため、どのように作業の流れを変更したかを記載してまいります。
① フロント担当からの処理依頼方法を、紙資料からファイル資料へ変更
従来、「紙の依頼表(単票の用紙)」と「紙の依頼資料」をセットで提出してもらっていた方法を、エクセルで作成した「依頼一覧表(単票に記載していた依頼内容を依頼表の一行に記載)」と「ファイル資料(紙資料をファイル化)」による依頼方法へ変更しました。
リモートワーク開始当初は、出社対応業務のため出社した担当者へ、従来の紙資料による依頼をするフロント担当もいましたが、その都度、変更理由を説明し、依頼方法のファイル化への一本化に努めました。(この作業の一本化行為、面倒ですが、非常に大事です)
② 依頼資料の保管場所を共有アクセス可能なサーバーに専用フォルダー設置
従来、依頼資料専用の3段書庫を設置し、その書庫を依頼資料段(1段目)と返却資料段(2段目)に分け、担当毎のボックスを並べ、そのボックス内へ一件毎に依頼資料を入れてもらい、処理後の資料は、担当毎の専用返却ボックスへ資料を返却していました。
リモートワークを行う為には、この依頼・返却方法をリモートワーク仕様に変える必要があり、上記①の資料の専用保管場所を、共有サーバー内にフォルダー(担当毎、請求・支払毎に)を作成し、そのフォルダー内へエクセル版「依頼一覧表」とファイル化した「依頼資料」を格納し、作業を行う方法へ変更しました。
③ 具体的な処理依頼・処理結果返却方法
・処理依頼一覧表は、請求処理依頼一覧表と支払処理一覧表に分けて作成
横軸に、必要依頼項目(依頼日、計上月、請求・支払日、請求・支払先、摘要、勘定科目、請求・支払額、依頼者・承認者、処理担当者・承認者など)を記入。
縦軸に、一連番号を付与し、該当行の依頼内容と依頼資料が関連付けられる仕組みにしました。
また、依頼一覧表は年度毎に作成し、年度毎の処理依頼一覧表は月次処理毎にシートを12枚作成しました。(4月分〜3月分で12シート)
・依頼資料のフォルダー格納ルールを整備
部課別フォルダーの下層に請求・支払フォルダーを作成、その下層に年度フォルダーを作成、その下層に月フォルダーを12個作成、その下層にNo.フォルダーを作成し、年度フォルダーの直下に該当年度の処理一覧表を格納させ、その処理依頼一覧表の一連番号に対応する該当月内のNo.フォルダー内へ依頼資料を格納してもらう方法に変更しました。
まとめ
上記方法に変更する事により、従来不可能と思っていたリモートワークも可能になり、品質や生産性を劣化させる事もなく、下記の副次効果もありました。
要は、工夫次第で品質を劣化させる事なく、効率的なリモートワーク可能業務への変更が可能だとういう結論です。
【副次効果】
・処理依頼状況、処理済状況が可視化され、処理漏れ有無が識別しやすくなった
・担当者の働きざまが可視化され、リアルタイムで認識可能になった
・担当者間の仕事量が可視化され、個々人の偏りを改善可能になった
・全てファイル化されているので、結果が容易に調べられるようになった
・資料類がファイル化された事で、同様の作業がエリアフリーで実施可能となった